【泣ける】ママ想いの健気な少女に天使が舞い降りる瞬間を見た
すると女の子の緊張は最高潮に達したようで、ポケットの中から必死で小銭を取り出して数え始めた。 「100えんがふたつと・・・50えんと・・・10えんがいち、にい、さん・・・」 俺は心の中で叫んだ。 店員は申し訳なさそうに、お金が足りないからケーキは買えないという趣旨の説明を女の子にした。 かといって、赤の他人の俺が女の子のケーキの金を出してやるのも不自然だ。 女の子には買えないことが伝わったらしく、泣きそうなのを必死で堪えながら、というより、声こそ出してないがほとんど泣いていて、小銭を握ったままの手で目をこすりながら出て行こうとした。 しかし、ろくに前を見てないものだから自動ドアのマットにつまづいて転び、その拍子に握っていた小銭が派手な音を立てて店内を転がった。 きっと神が舞い降りる瞬間とはこういう時のことを言うのだろう。 「ちゃんと全部あるかな?数えてごらん」 俺が「きっと最初に数え間違えてたんだね。ほら、これでケーキが買えるよ。」と言うと、女の子は嬉しそうに「うん!ありがとう!」としっかりお礼を言い、イチゴショートを一つ買っていた。
出典: http://oniyomediary.com/archives/19714173.html
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